(37)どこまで育つかな 2018年01月29日(月) 断捨離狂騒曲 「ゆかいなホーマーくん」という児童文学がある。私は子どものときに岩波少年文庫で読んだのだが、今もまだ出ているようでうれしい。アメリカの田舎町に住むホーマーくんと周囲のおとなたちのお話で、ドーナツの機械が故障して際限なくド… [続きを読む]
(36)遊びごころ 2018年01月28日(日) 断捨離狂騒曲 蚊取り線香というのは、とても美しくかわいらしいかたちをしている。私が子どものころは、多分家にあった古いお皿の上で、今も変わらない小さい金具にはまって、煙をくゆらせていた。広い家のあちこちに、その姿があったので、つつじと石… [続きを読む]
(35)子どもたちが皆ナイフを持っていたころ 2018年01月26日(金) 断捨離狂騒曲 (浅沼稲次郎・鉛筆削り・お嬢様) ナイフが消えた理由 多分、私が小学校のころは、子どもたちは男女を問わず、皆ナイフを持っていた。肥後守みたいな、小さいがその気になれば人を殺せるぐらいのナイフだったろう。 多分とか、だろう… [続きを読む]
(34)猫の首輪は捨てられない 2018年01月24日(水) 断捨離狂騒曲 これまでに、たくさんの猫を飼い、当然ながらその何匹もを見送った。家出して帰らないままになったのが数匹いるのは今も気にかかるし、自分が先に死んで、あいつらはどうなるのやらと心配しながら息を引き取るのもいやなので、私の目の前… [続きを読む]
(33)春が好きな理由 2018年01月24日(水) 断捨離狂騒曲 どこの家庭でも、特に高齢者の捨てられないごみの中には大量の紙袋が多いという。私だってしっかり高齢者だから、相当の量の紙袋がたたんでとってあるのが出て来て、自分でもあきれる。 幸い、近くのスーパーで回収してくれる古紙は、ひ… [続きを読む]
序にかえて・人の記憶 2018年01月10日(水) 断捨離狂騒曲 私の住む地域では、少し離れた場所に不燃物の収集場があって、土日と水曜に持って行ける。最近では近くのスーパーが古紙やプラスティックの回収をしてくれるようになったので、以前ほどではないかもしれないが、それでも訪れる人は多い。… [続きを読む]
(32)クマ! 2018年01月10日(水) 断捨離狂騒曲 (木彫り熊・初任給・床の間) 十三年間片づけ作業 去年、叔母の十三回忌をした。叔母が亡くなって、その後のさまざまな手続きやマンションの片づけをしたのを思い出すが、「あれからずっと片づけをしていますよね」と、知り合いから何… [続きを読む]
(31)額縁とカレンダー 2017年12月06日(水) 断捨離狂騒曲 カレンダーって家庭内で案外トラブルの種になる気がするけど、うちだけだろうか。 私が中学校の時からつけ始めた日記の最初のあたりに、祖父が「まだ去年のカレンダーをはってる」と怒って、祖母と母がちゃんとはっていた新しいカレンダ… [続きを読む]
(30)紫の猫 2017年12月05日(火) 断捨離狂騒曲 どういう小説をライトノベル、いわゆるラノベというのかさえ、私はよくわかっていない気がするけど、とにかくどうやらそういうのらしい、かわいいイラストの表紙の文庫本を見ていると、最近圧倒的に、喫茶店だの古着屋だの本屋だの食堂だ… [続きを読む]
(29)花の墓場 2017年12月03日(日) 断捨離狂騒曲 (花・シャイヨの狂女・カラー) 昔の映画鑑賞 「シャイヨの伯爵夫人」という、たしかキャサリン・ヘプバーンが主演した古い映画がある。ユル・ブリンナーが悪役を演じていて、私は彼のファンである友人につきあって、映画館でこの映画… [続きを読む]
(28)語り部二人 2017年12月03日(日) 断捨離狂騒曲 母の一周忌に横浜の従姉が来てくれた。田舎のお寺に母の位牌を持っていって、お経をあげてもらうというだけの超略式の一周忌で、参列するのも従姉と私だけである。最近太って黒のフォーマルドレスが入るかしらんと悩んでいた私に、従姉は… [続きを読む]
(27)枕の大群 2017年12月03日(日) 断捨離狂騒曲 家の片づけで場所をとるからと早めに処分したいのに、なかなかそうも行かないのが、毛布やシーツ、ふとんといった寝具のいろいろである。「お客さん用のふとんを思いきって処分した」「法事の時の客はホテルに泊まってもらうことにして、… [続きを読む]
(26)銀色のくし 2017年09月10日(日) 断捨離狂騒曲 (「日本共産党むなかた東部後援会ニュース」第2号に原稿を依頼されて書いたもの。短いですが、内容は同じ性格のものなので、こちらに収録しておきます。) もう十年以上も、田舎の家や親戚の家の片づけに時間をとられている。私自身の… [続きを読む]
(25)玄関には白い花を 2017年07月17日(月) 断捨離狂騒曲 (玄関・ご近所づきあい・傘) 大工さん一家 今暮らしている家、正確には二つの内の新しい一つは、以前田舎に母の隠居所の新宅を建ててもらった大工さんが、車で三時間ほどの遠くはなれたこの街まで、一族郎党、左官屋さんからカーテン… [続きを読む]
(24)窓辺のバスタブ 2017年07月17日(月) 断捨離狂騒曲 何であれ、最後の一個というものは気になるものである。単に稀少価値という点だけでも、山ほどあった時とは扱いがちがって来る。マーク・トウェインの短編で、安全ピンが宝物のようになっていたイヌイットの一族で、ピンを盗んだと疑われ… [続きを読む]