(23)ぺて子 2017年07月10日(月) 断捨離狂騒曲 寸暇を惜しむ片づけの中で、まるで得意でも何でもない作業に、思わぬ時間を取られたりする。 田舎の家に山ほどあった、古いうちわを、共謀罪反対のデモの時などにプラカード代わりに持って行ったらどうだろうと、つい出来心で元の紙もは… [続きを読む]
(22)恥しい鷹 2017年07月06日(木) 断捨離狂騒曲 (食器棚・修学旅行・鷹) ありあまる器 十数年前亡くなった叔母は、叔父と二人暮らしだったのに、たくさんの器を買いこんでいた。長く勤めていたお手伝いさんが「もう買っちゃだめですよ、置くところがないんですから」と怒るから、と… [続きを読む]
(21)魔法陣作戦 2017年07月04日(火) 断捨離狂騒曲 自分を元気づけて前進させるために時々確認するんだけど、私って相当すごいことやってる、このトシで。 十数年前、叔母が亡くなり、その遺産を親族に相続する手続きをしたあと、叔母のマンションにあった膨大な品物を、何とか人にあげた… [続きを読む]
(20)絵画をめぐる伝説 2017年07月03日(月) 断捨離狂騒曲 どこの家でも、昔から何度も語られて記憶されている伝説が、ひとつやふたつはあると思う。私の場合、語り手はいつも母で、幼い私は時に何度もせがんで同じ話をさせたりした。 しかし実際には、はっきりと覚えているものは少なく、結局一… [続きを読む]
(19)おほほほほ 2017年07月03日(月) 断捨離狂騒曲 (お茶くみ・男女差別・急須) 緑茶よりココア 子どものころ、緑茶が飲めなかった。祖母や母が淹れてくれる甘いココアが大好きで、叔父が同じココアのことをエッセイに書いているのを見て、昔からわが家ではそうだったのかとあらためて… [続きを読む]
(18)男たちの顔 2017年06月25日(日) 断捨離狂騒曲 (キリスト・仏像・活水女学院) ごたまぜの信仰 男たちなどと呼ぶのは本当は大変恐れ多いお二人である。 何しろイエス・キリストと薬師如来なのだから。 大抵の日本の家と同じように、わが家の宗教もいいかげんだった。 一番身近だ… [続きを読む]
(17)謎の月象 2017年06月24日(土) 断捨離狂騒曲 おや?と思ったのは、その金属の箸立てを壁にかけた時である。 私は田舎の家から運びこんで来た荷物の山を、自分の家のあちこちにつめこもうと悪戦苦闘していた。 どう考えても今いる家の五倍か下手したら十倍はある広さの田舎の家から… [続きを読む]
(16)働く美術品 2017年06月24日(土) 断捨離狂騒曲 私のささやかなポリシー、というほどのものでもないが、どんなにきれいで繊細でも、器や皿のたぐいはそれなりに、実用品として働いてほしいのである。こわれてしまって使えなくなっても、それはそれで、別のことに使ってやれればいいなあ… [続きを読む]
(15)菓子入れと漬物鉢 2017年06月19日(月) 断捨離狂騒曲 昔、私の家族が住んでいた家の中心は「いろりの部屋」と呼ばれていて、実際に六畳ほどの部屋のまん中に、四角い囲炉裏が切ってあった。冬にはそこで炭火が白い灰をかぶって赤く燃え、黒い五徳の上にやかんがかかって、しゅんしゅんお湯を… [続きを読む]
(14)蔦のある家 2017年06月19日(月) 断捨離狂騒曲 私がいつも暮らしている、小さい家の方(もう少し大きい古い家が隣にある)に次第に荷物が多くなってきた。 自分で動かせるものはいいのだが(まあ、その気になれば何でも動かせないことはないが)、叔母の使っていた大きなセミダブルベ… [続きを読む]
(13)一人の誕生日 2017年06月18日(日) 断捨離狂騒曲 (誕生日・家族の歴史・サプライズ) 無視される祖父 祖父は自分の誕生日を祝いたがった。ことあるごとに「自分は家長」といばりたがった祖父としては、それは家の秩序やけじめを守る、ひとつの基準だったのかもしれない。昔は中国で大… [続きを読む]
(12)鬼とおたふく 2017年06月17日(土) 断捨離狂騒曲 (鬼・おたふく・湯布院) 玄関にいた鬼 田舎の家の玄関に、大きな鬼の面がかかっていた。 小さい時から見慣れているので、恐いと思ったことはない。 広い土間の片側には大きな下駄箱があり、反対側には丸い木の傘立てがあった。 下… [続きを読む]
(11)色あせた猫たち 2017年06月17日(土) 断捨離狂騒曲 前にも書いたが、田舎の古い台所を私はわりと早い段階でリフォームし、母が暮らしやすいようにしたのだが、母は結局、そこにこたつやテレビを集めて、ごみ屋敷にしていた。犬も猫もいっしょにそこで生活していて、目もあてられないありさ… [続きを読む]
(10)多分かなわない夢 2017年06月16日(金) 断捨離狂騒曲 私には夢がある。と、キング牧師の崇高な名文句をこんなところに使ってはバチがあたりそうな上に、スケールの点で月とすっぽんどころではなく比較にならない、情けないにもほどがある小さな夢だ。しかも多分まず実現はしそうにないから、… [続きを読む]
(9)しまおが歩く 2017年05月31日(水) 断捨離狂騒曲 (猫・湯布院・ウォーターシップダウンのうさぎたち) 白猫シルバー 湯布院の山の上に、猫がたくさんいるギャラリーがあって、高価な売り物の服の上に大きな猫が昼寝していたりするのが猫好きな人にはこたえられないだろう。私もしばし… [続きを読む]