九条の会関係むなかた九条の会通信・第十一号(2007.2.3)
「むなかた九条の会」の連絡先は
「宗像市土穴2-10-1 伊藤好信(℡・ファクス0940-32―3377)」です。
100円払えばどなたでも会員になれます。署名用紙の返送や請求もこちらへ。
いま話題の名作映画が、宗像で見られます!
池谷薫監督作品「蟻の兵隊」
東京でも観客が一万人を突破し、テレビや新聞、インターネットでも話題になっているドキュメンタリー映画です。
中国にいたある部隊が、終戦後も命令により残留させられ、中国の内戦を戦わせられました。日本政府は兵士たちが志願してやったことだと黙殺しています。
戦争とは、軍隊とは何なのか。「もう、何でも起こる」としか言いようのない「部隊ぐるみ他国に売られた」というこの状況を生き抜いた一人の兵士が、八十歳になってなお、その真実をさぐろうとしています。
しかし、その中で彼自身もまた、戦場で何をしたかを見つめざるを得ません。
福岡でも上映されていましたが、なかなか行けなかった方も多いと思います。電車代も駐車料金もガソリン代もいらない地元で、ぜひこの名作をごらんになって下さい!
2月18日(日) 宗像中央公民館
①11:00~12:45
②14:00~15:45
前売り 一般 1000円(当日1200円)
高校生以下 800円
主催 「蟻の兵隊」を観る会・宗像
協力・むなかた九条の会
第二回「教育基本法との対話」が1月26日の金曜日、福岡教育大学で行われ、「日本の伝統文化」について話し合いました。
佐藤信淵、高杉晋作、貝原益軒などの名前が、さまざまな分野で学ばれていることに、おたがいうれしい驚きを感じました。
また、「右とか左ってどういう意味ですか?」などという質問もあって、世代を超えて交流する大切さと楽しさをあらためて味わいました。
次回の予定は、次のとおりです。
第三回「教育基本法との対話」 2月23日(金)
17:30~19:00 福岡教育大学幼児教育演習室
今回、前期入試前のため、いつもの教室が使えないかもしれないので会場を変えました。幼児教育教棟の建物に入ればすぐわかります。わからなかったら、板坂・西崎・船越の研究室までお問い合わせを。学外の方も、ぜひ気軽にご参加下さい。
「近ごろ国賊、売国奴どもが愛国心だ美しい日本だとほざいているのが苦々しく恐ろしい、九条を改めるというのも、かげでアメ帝の強請があるのにちがいないと見る、それをはっきり言わぬと反対も弱い、健筆大いに揮って下さい」「何も出来ないと嘆くばかりでなく勇気を出して何かしなければと思うのですが、頭も回らず尻も重く…」「ここ数年の社会の趨勢、目を覆いたくなります。なぜ…という思いと、こんな風に戦争が作られていくのだ…と思い、自分が何をしているのだろうか…という焦りがあります。」などという年賀状やメールを見るにつけ、ずっと昔に読んだある老歌人の女性の、こんな歌を思い出しています。
這うこともできなくなったが手にはまだ平和をまもる一票がある
この歌を見たのはもう何十年も前で、正直そんなにいいとも思わなかったのですが、今は心がおののくほど、この歌をリアルに感じ、強く胸をうたれます。どんなに何もできなくても、まだ私たちの誰もが日本や未来の運命を決められる一票を持っているのです。
1月7日(日)講演会「私のために戦うな」 板坂耀子さん(福岡教育大学教授)
が行われました。参加者は25名でした。
板坂さんは12月に出した同名の本をもとに、次のように話しました。
私たち研究者がまっさきにたたきこまれるのは「絶対に確信できること以外は口にするな」です。
だから政治のことも歴史のことも経済のことも専門ではないのに、政治家や歴史家や財界人が声をそろえて「戦争は避けられない、憲法は変えなければ」と言っている時、それがどんなにいいかげんな発言に見えても、自分はちゃんと充分に調査や勉強をする時間がないままで、何かを発言することは、とても難しいし、つらい。
昨年の夏、死にかけていたカナブンを拾いました。家で何日か餌をやっていたら、元気になって飛んでいきましたが、「恩返しにくるよ」と皆から冗談を言われた時、どうしてか私の目には、ちょうど加藤紘一氏の家が燃やされた頃だったからでしょうか、私の家が私ごと焼かれて、燃え上がる炎の上で、狂ったように何かしなければと必死で飛び回っている小さなカナブンの姿が見え、ああ、いいからカナブン、恩返しなんかいいから私を助けられなくても何もできなくても、そんなに苦しまなくていいからとつぶやきながら、自分でもばかばかしいほど悲しくなりました。
あとで、空想の中でカナブンが感じているあせりと無力感、恐怖と絶望は、今の私のものだったのだと気がつきました。
それほどに臆病な私が、これだけは確信を持って言えるのは、どんな男も、そして女も、私のために戦うという口実で、人を殺してほしくはないということです。
とても個人的な私の愛のかたちなので、こうやって宣言するのもどうかと思うのですが、でも、これは女性問題に取り組んでいる方々もはっきり言われていないことだし、ここを言っておかなくては、戦争をくいとめる大切な点が弱くなるし、女性にも男性にも未来はないということは、長い年月かけて私が身体で心で頭で迷ってたどりついた、本当に自信をもって断言できることばです。
どうか、この考えとこの言葉を、たくさんの方々が、九条をまもる戦いで使っていただきたいと思います。私の本も、私自身も。これは小さいけれど私がさしあげられるものの中で最高の、せいいっぱいの言葉です。