九条の会関係これまでのおさらい&首相の言い分

(8月10日に「むなかた九条の会」が配布したチラシです。全部でも一部でも、ご自由にお使い下さい。)

安保関連法案(戦争法案)は全部で11あります。野党の質問で「全部言えますか」と聞かれた首相も答えられなかったそうで、そもそもこれほど重要な法案を11もひとまとめに審議するのが異常です。
また、この法案のもととなる「集団的自衛権」を政府は国会で審議せず、事務的手続きに近い「閣議決定」しかしていません。これもまた異常です。

もともと、首相は憲法(特に戦争放棄した第九条)を変えたくて、まず、変えるための手続きを簡単にしようとして改憲論者からも猛反対され、それではと、変えないままで実態をなしくずしにする「解釈改憲」をめざしました。
今の憲法のままでも自衛隊を他国の戦争に協力させる「集団的自衛権」は認められると主張したのですが、憲法学者のほぼ全員が「認められない」すなわち違憲と回答しました。他国の(主としてアメリカの)戦争に協力することになる集団的自衛権は、自衛隊員にとっても国民にとっても、非常に危険を招くのではないかという懸念が国民の中には日増しに強まっています。

そんな中、首相がテレビでやった、集団的自衛権を火事や不良のけんかにたとえた説明は多くの国民の失笑をかい、新聞にはある消防士からの「火事と戦争を同じにしてほしくない」という抗議の投書が載りました。
次に首相は中国の脅威を持ち出しましたが、これも大して説得力はなく、当初しきりに言われていたホルムズ海峡の緊張関係についても周辺の国々が一定の解決をしたため、理由にならなくなっています。

「後方支援」という概念も用語も世界には存在せず、きわめて危険な「兵站」であること、ジュネーブ条約の保護もないまま自衛隊をその危険な任務につかせようとしていること、国内では原発がミサイルやテロに攻撃された場合の対策が皆無であること、など法案の深刻な欠陥が、次々に明らかになっています。

首相は二言目には「選挙で支持されたから」と言いますが、選挙の投票は白紙委任ではありません。そもそもその選挙のときに、自民党は憲法や国防を絶対に争点にしようとせず、自分たちの意図を国民に隠し通しました。

首相はまた、「以前の安保条約や自衛隊関連の法案でも『戦争になる』と反対は多かったが、ならなかったじゃないか」と、くりかえしています。
「多かった」ではなく「多かったから」戦争にならなかったのです。成立時の激しい反対運動が国民の監視を強め、政府を慎重にさせて来たのです。
それも理解できない首相の感覚は非常に危険と言わざるを得ません。

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カツジ猫