九条の会関係2015年9月のちらし
(ご自由に一部でも全部でも使って下さい)
あなたが考えよう。あなたが行動しよう。
自民党の高村副総裁は、6日の講演で安保関連法案(戦争法案)は「国民のために必要だ。十分に理解が得られていなくても決めないといけない」と述べたそうです。
この傲慢さは何でしょう。一方安倍首相は国会の審議中にもかかわらず、大阪に行ってテレビ番組に出演し、参院の鴻池議長(自民党)から「一国の首相としてどういったものか」と遺憾の意を示されました。
もはや、末期症状と言うほかありません。
テレビも新聞もほとんど報道しないのが大問題ですが、この間国会審議では野党の追及によって、戦争法案の問題点が、ますます明らかになってきています。
首相が集団的自衛権の必要性として主張していた「邦人の避難船の警護」「ホルムズ海峡の機雷除去」という二大理由はどちらも完全に根拠を失いました。
その一方で、自衛隊員は万一捕虜になっても、捕虜への残虐行為を禁じたジュネーブ条約の適用さえ受けられず、安全を保障する最低の対策も何らとられていないこと、その活動はミサイルの輸送もあり得る完全な戦闘行為として敵国からみなされる危険きわまりないものであることが確認されています。
中国への抑止力となることを期待する人もいますが、そもそも現在の経済的政治的状況からみて、アメリカが日本のために中国と戦うことなどあり得ませんし、それを世界も知っています。抑止力にはなりません。
もし政府が、中国の脅威を真剣に考えているなら、ミサイルを撃ち込まれた場合の対策は皆無の川内原発を再稼働させるべきではないし、集団的自衛権などで、貴重な兵力をアメリカのために世界各地に分散させるべきではないし、これまで憲法九条のおかげで良好な関係にあった中東諸国を「アメリカの同盟者」と思われて敵に回すべきではありません。
さらに野党の追及で暴露された驚くべき事実は、この法案が、アメリカの希望するプランとまったく同一であること、閣議決定さえもされていない昨年の暮れに自衛隊の幕僚長がアメリカで「来年夏までに完成する」と約束していたことです。押しつけ憲法が聞いてあきれます。政府のしてきたことのすべては、アメリカの言いなりであり、しかも自衛隊と言ういわば軍部の独走です。
この狂気と迷走を続ける政権をくいとめられるのは、「何かおかしい」でも「絶対に許さない」でもいい、私たちひとりひとりの声と行動だけです。皆さん、どうか関心を持ち、何かをしましょう。一枚のビラを受け取るだけでも、集会に参加して立っているだけでも、今日、あなたから、何かをはじめましょう。
(7月18日に続く第2回の戦争法案反対集会(8月29日)には、小雨の中、前回を100人上回る300人が参加しました。書家で被爆者の蓮池さんは「今も足の傷が痛み、死ぬまで消えることはない。戦争は絶対にしてはいけない」と訴え、大学教授の坪内さんは「中国をはじめとした諸外国と市民レベルで深い交流をすることが必要だし可能だ」と具体例を示して語りました。その他、母親、若者、外国人の立場から心のこもったスピーチが続きました。)
2015年9月7日
むなかた九条の会世話人代表 板坂耀子(福岡教育大学名誉教授)