九条の会関係天皇も憲法学者もグラドルも

憲法九条を何とかなくしたい安倍首相は、国民投票では成功しそうになく、憲法を変えやすくするように法律を変えようとしても反対が多かったので、何と国会で議論もしないまま、閣議決定という簡単な手続きで、自衛隊を海外の戦争に参加させる「集団的自衛権」を成立させてしまいました。

今、国会で話し合われているのは、その具体的な整備のための法案で、「戦争法案」とも呼ばれています。何しろ、ほとんど議論もしないまま成立させた「集団的自衛権」ですから、国会で討論がはじまると、みるみる不備や欠陥が明らかになって、「こんないいかげんな法案を成立させて集団的自衛権を実際に使われてはたまらない。あまりにも危険すぎる」という声が、自衛隊の関係者はもちろん、国民の中からは日ましに強くなっています。

政府は最近、報道関係への統制を露骨に強めています。そのためか、テレビも新聞もこれだけ重要な国会の動きについてあまり報道しません。しかし、国会中継を見た人たちは一様に、首相をはじめとした政府閣僚の無責任で不勉強な答弁の数々、野党の質問にしどろもどろの返答しかできない首相の姿に大きなショックを受け、インターネットには、こんな書きこみがあふれています。

「国会中継みながら悔し泣き。戦争法案が通りそうだから泣いてるんじゃない。こんなに重要な法案をこんなにとんちんかんなうわっつらの言葉でごまかして平気な顔してる人間を、みなが結果的に放置して好きなようにさせてることに絶望するわ…。」

国会に呼ばれた著名な憲法学者は自民党が推薦した長谷部恭男氏、改憲論者の小林節氏も含めて三人全員が、この法案は「憲法違反」と明言しました。さきのパラオ島訪問での慰霊など、安倍政権の戦争へ向かう動きに批判的とささやかれる天皇陛下は、先日のフィリピン大統領との宮中晩餐会でも、「深い痛恨の心とともに長く忘れてはならない」戦争被害について初めて言及されました。保守派で知られるテレビ番組「そこまで言って委員会」では人気絶頂のグラビアアイドル橋本マナミさんが、他の出演者からの揶揄や攻撃の中、「首相は日本を戦争に導かないで」「憲法九条は大切」とていねいに自分の考えを述べました。

ここ宗像でも、31日の「平和と民主主義を考えるつどい」に百名以上が参加し、「子どもや孫のために今何かをしなければとあせっている」「いても立ってもいられず、一人で街頭に立って皆に訴えている」などの意見があいつぎました。

私たちはこれまで、「九条を守る」という一点でさまざまな立場の人と協力して来ました。しかし今は、たとえ九条や憲法についての意見がちがっても誠実な議論や討論を望むすべての人と広く手をつないで、「美しい国」が持つべき品性や良心とはあまりにもほど遠い首相や閣僚を一日も早く何とかすることが急務です。
どうぞ一人でも多くの人に、私たちの声を届けて下さるようお願いします。

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カツジ猫