九条の会関係むなかた九条の会通信・第八号(2006.11.27)
「平和憲法を守ろう」と言うと、
「現実を見ろ」とか「現実を知らない」とかよく言われます。
「そんな夢のようなことばかり言って」とも。
「そうかもしれない」と思う前に、
「自分の目で現実を見たか」ともう一度考えて下さい。
「自分が確かめた現実はあるだろうか」と考えて下さい。
アメリカが武力で問題を解決しようとした結果は、
ベトナムでもイラクでも泥沼の悲劇を招きました。
イスラエルの人々の戦いもまた同様でした。
イラクへの攻撃を行った政府に対し、
アメリカでもイギリスでも大きな反対運動が起こり、
政府は誤りを認めざるを得なくなっています。
中南米や東南アジアでは、アメリカに従わない国が
次々に生まれてきています。
「私の知人の有名な韓国の編集者は、かつて反政府運動をして、
拷問にあい、指のつめが一本もない」と小森陽一さんが話した
厳しい民主化運動を経た韓国の人々は、
北朝鮮との対話の道を求めつづけ、
互いが再び戦いあわせられることを許してはいません。
「現実を見ろ」と言うのなら、これらの現実からも
目をそむけてはなりません。
そして、ミュージカル「ラ・マンチャの男」の中で、
主人公セルバンテスが口にする言葉も聞いて下さい。
「詩人は夢を語って現実を見ない狂人だ」と責められた彼は、答えます。
「私は兵士にも奴隷にもなった。苦悩、悲惨、残酷さをうけいれて死んでゆく多くの人々を見た」
「狂気とは何だ? 現実的すぎること、夢を持たぬことだ。
人生で最大の狂気とは、人生をあるべき姿でなく、そのままうけいれることだ」
そしてもう一つ、忘れてはならないのは、
「現実を見ろ」という人たちも結局は、
自分の夢を見ているということ。
「美しい国」というあいまいなものではなく、
その夢が何かもっと具体的に語らせなければなりません。
そんな夢が現実に可能か、問いつめなければなりません。
「戦争をしない国」「戦争のない世界」というのは、
とてもつつましい、とても現実的でひかえめな願いです。
「夢」などというのはおこがましいほど、ささやかな。
え?と驚かれた方もいたかもしれませんが
◇◇11月12日の講演会、久藤平八郎さん「平和憲法と私」(むなかた九条の会主催)
他の催しと重なって、参加者は20人程度で少なかったのですが、久藤さんの講演は、あえて「大東亜戦争」という言葉を使い、日の丸や君が代や天皇の存在を高く評価し、中国の態度を強く批判する一方で、「平和憲法を守ろうという気持ちは、誰よりも強い」と断言されるなど、さまざまな刺激を与えられ、いろいろな点で非常に示唆に富むものでした。
参加者からも熱のこもった発言があり、もっともっといろいろな方といろいろなことを話し合いたいと、あらためて感じました。
いずれまた、詳しく内容をご紹介したいと思います。
他の講演会も無事に終了しています
◇◇11月9日、八尋八郎さん「教育基本法の改正を学ぶ」講演会(福岡教育大学教職員組合主催)
八尋さんは、暴走族の少年たちと話し合ったリアルで迫力のある体験談などを交えて、学校の校則の問題点にも触れられました。
◇◇11月11日、船越美穂さん「教育基本法について」勉強会(於・日の里コミュニティセンター)
船越さんの講演は、京ことばのやわらかい語り口を含めて参加者から好評で、再度やってほしいとの希望も出ています。
12月15日には福岡教育大学で勉強会も
教員や学生で、ビデオを見て、愛国心などについて話し合います。
17:30から人文社会講義室で行います。学外の方もどうぞ。
「むなかた九条の会」の連絡先は
「宗像市土穴2-10-1 伊藤好信(℡・ファクス0940-32―3377)」です。
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