九条の会関係「むなかた九条の会」五周年によせて

いったん、戦争が起こったら、どんなに強い軍隊でも、良心的な兵士でも、国民をひとり残らず守ることなど、できるわけがありません。戦争が起こってしまったら、その瞬間から、私たちは「どんな犠牲を払っても国にとって生かしておく価値がある」と思われた人(大統領とか天皇とか)以外は皆、命も財産も保障されません。
平和を守り、戦争を遠ざけようとすることは、私たち普通の市民にとっては、何よりも確実な安全保障なのです。

そして、もはや核兵器を持っていてさえ、攻撃しようと決意した敵を制止することはできない時代に、どんなに強力な軍事力を持っても、それでは平和は守れません。その軍事力を保持するために、私たちの暮らしがあらゆる点で犠牲になるだけです。
それは男女を問わず、兵士として戦い、仕事として人を殺さなければならないことを前提として生きる人たちに最も重くのしかかります。

むなかた九条の会に世話人のひとりとして参加して五年になります。最初の代表だった菰口治先生が亡くなられ、今は私と西﨑緑さんが代表です。会の基礎を築かれた菰口先生、伊藤好信さんをはじめとした事務局の皆さんの精力的な活動、若い人たちと連携を深める西﨑さんを中心に、地域の多くの方に支えられて、この会は続いてきました。署名活動、ビラ配布、講演会、映画会などにもたくさんの方や組織が参加協力して下さっています。

一方で「会員として登録しているのに何もする機会がない」という、もどかしさをお持ちの方も多いと思います。できるだけ皆さんに参加できる活動を今後も工夫したいと考えています。
私自身、母の介護などの忙しさの中、代表でありながら本当に活動らしいこともできない申し訳なさをかみしめています。それでも、この会に参加しているというだけで、新聞を見ても映画を見ても、さまざまなことを考えるようになりました。
最初に書いた「軍隊では私たちの命や暮らしは守れない」「戦争の最前線に行く人たちのことを忘れてはならない」、それがこの五年間に新しく私が学んだことでした。

自分を守ることが愛する人も見知らぬ他人も未来の子孫も守ることになるというのは、最高の幸せかもしれません。
これからもどうぞよろしくお願いします。100円の参加費で会員になれます。新しく参加される方もどうぞ、受付で申し込まれて下さい。

2010年9月22日
世話人代表 板坂耀子

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