九条の会関係もし、自衛隊を海外に派兵するのなら

私は自衛隊にも海外派兵にも反対です。しかし湾岸戦争の時に、充分な議論もなく反対の声も多い中、ひっそりと危険な戦地に出発する自衛隊の方々を見ているとたまらない思いにかられました。
あの時はまだ、武器を用いた戦闘行為は禁止されていました。しかし、もし「集団的自衛権」が認められるなら、武器を使った戦闘も行なわれます。
もし、それをやむなしとするのなら、せめて日本国民全体が納得し支持し、心から激励して送り出すのでなければいけません。それが保障されない間は一人の自衛隊員も戦闘のために戦地に派遣するべきではありません。

安倍首相に、そこまで国民を説得し、私たちを納得させる覚悟があるのでしょうか。「憲法改正は生涯をかけた自分の課題」とまで言いながら、首相はこれまで絶対に、正面から憲法や戦争の問題を議論しようとしませんでした。
消費税・TPP・原発・憲法など重要な問題をまったく口にしないまま、自信があるらしい景気や経済についてさえ積極的には語らず、「ねじれはいけない」とくりかえすだけで参院選に勝利したこの人は、「大事なことをきちんと議論することを徹底して避ける」DNAを持っているとしか私には見えません。

首相は憲法についても最大の争点である9条にはふれず、まず憲法の改定をしやすくするルール変更(96条の改定)をしようとしました。「勝てそうにないからルールを変える」などというのは、西部劇でも時代劇でも昔から卑怯な悪役のすることなのに!
従来の改憲論者までふくめて多くの人がこれに反対すると、今度は憲法を変えないままで、その解釈を変えようと、「集団的自衛権」を使って自衛隊が国外で武器を使用できるようにしようとしはじめました。
そのことについても、きちんと討論や議論をする前に、まず内閣法制局長官にこの解釈に前向きな人を任命したのです。

こんな首相を見ていると、結局はまともな議論をさけ、法律の網の目をくぐり、人目をさけて既成事実を作り上げるために、自衛隊の人たちの命や心を犠牲にして海外に送り出すのではないかと思えてしまいます。
そんなことにさせないために、この問題から目をそむけず、皆で、話し合いましょう。原発もそうですが、最前線の現場で働く人たちを、私たちの無関心から犠牲にすることを決して許してはなりません。

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カツジ猫