九条の会関係ぼくたちは、あきらめることを、あきらめた。

ぼくたちは、あきらめることを、あきらめた

10日から降った大雨の被害は、各地に大きな被害をもたらし、人命救助にあたる自衛隊員を見て「ずっとこういう活動だけを行ってほしい。戦場で殺し合いをさせないで」と願う声があらためて人々の間から上がっています。

本来なら政府は、憲法違反、欠陥だらけの法案ということが明らかになり、多くの国民が「今国会で成立させる必要はない」と言っている戦争法案の審議などいったん中止して、この災害への迅速な対策に全力を傾けるべきです。しかし、経産相が10日の講演で「ありがたいことに産業の方はまだそれほど大きく傷んでいないということで(緊急の関係閣僚会議に)出席しなくてよかった。今日は幸運な日だったと感謝している」と発言する信じられない感覚に示されるように、首相をはじめ政府の人々は被災地の人々の命よりも、法案採決の日程の方が気になっているようです。

しかし、その採決予定の日程も、ずるずるとずれこんでいます。与党の参院と衆院それぞれの思惑もあるのでしょうが、「(週末は全国各地で法案反対のデモが行われていることもあり)デモに囲まれての採決はできない」(自民党議員)「夜には仕事帰りにデモに参加する人が多い。平日の明るい時間に採決してもらいたい」(谷垣幹事長)などという発言には、反対する人々の声を恐れる政府の情けなく薄っぺらな姿勢があらわです。信念も確信もなければ、冷静な展望もない、このような人たちに、法案の成立後、その運用をまかせても、国と国民のためを思う、どんな外交や決断が彼らにできるというのでしょうか。

国会前や新宿での集会では、新しく「賛成議員は落選させよう」というコールが加わりました。以前は評判の悪かった「牛歩戦術」も使って、野党はあらゆる抵抗をして、決して採決させるなという声も高まっています。
「もし法案が通っても、絶望などしない」と学生団体「シールズ」の若者たちはスピーチしました。「絶望などする希望は初めから持っていない。いつでも、できる限りのことをやり続ける。僕たちはとっくに、『あきらめることを、あきらめている』。何があろうと、あきらめるぜいたくは、許されていない」

「週末と夜は人が集まるから恐くて採決できない」人たちと、「あきらめることを、あきらめている」人たちと、どちらに私たちは真実の人間らしさを見るでしょう。どちらに未来をかけて、ともに歩むのでしょう。
日本は今、大きな歴史のうねりの中にあります。目を閉じることも、顔をそむけることも許されない状況が私たちをとりまいています。今こそ、学び、考え、知りましょう。そして、発言し、行動しましょう。

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カツジ猫