九条の会関係農業を守ろう。憲法を守ろう。
もうかなり前のことですが、6月4日の毎日新聞で、野坂昭如さんが書いていました。
「安倍政権は、憲法改正に躍起。自衛隊の国軍昇格を言い、自前の防衛・軍事力強化をいう。戦争の歴史をひもとけば、きっかけはまず自国の民を飢えさせんがために起こる。防衛をいうならば、食いものを守ってこそのことだ。日本の農を守ることこそ安全保障につながる。
これまで農の保護育成について日本は場当たり的な術策を行使してきた。まっとうな農家が損を被り、豊かな土地を荒らし尽くしてきた。日本人を支えてきた地域の農業はその地域社会、また文化もろとも消えてなくなる。農を強くするといっても、その方法を間違えれば取り返しはつかない。
自前の軍事ばかり強調して、自前の農を言わない愚の骨頂。本末転倒もいいところ。憲法を変え軍事強化、そのもとで、冷え冷えと枯死する日本。空を映す日本の水田を守れ。」
また、「ビッグイシュー」という雑誌の5月号のコラムで、作家・音楽評論家のいとう・さとるさんも、こう書いています。
「現時点で、日本がTPPに参加するメリットはまったく見えない。日本が輸入農産物にかけている関税は下げさせられるのに、自動車などが輸出先でかけられる関税は下がりそうもない。保険の創設に制限が始まり、医療施策にもたくさん注文がつきそうだ。そもそも交渉過程は公開されないし、日本政府の交渉力も期待薄だ。簡単に言えば、アメリカの言いなりになるしかない状態が待っている。
安倍首相は現憲法は、米国から押しつけられたものだから、変える必要があるという。ではTPPで経済活動の根本的なあり方まで米国のやり方を押しつけられるのはOKなのか。この矛盾に気づくことがそんなに難しいとは思えない。」
本当に国を愛し、真剣に国防を考えるなら、まずは私たちのこの町、宗像のあちこちでも、美しく広がっている「空を映す日本の水田」を守るためにはどうしたらいいかということこそを、何よりも先に考えなければいけないのではないでしょうか? 九条を変えて武器を持てる国にすることではなくて。